カネコアヤノ 食べること楽しもう

＞オリジナルフルアルバム＞タイトル：ミラージュ・コラージュ＞アーティスト：チャラン・ポ・ランタン＞リリース日：2017年 11月 1日＞記事作成日：2018年 1月 6日




聴きました！
姉妹ユニットの最新作！このご時世なので、アーティストが「老若男女問わず広く知れ渡る存在」になったり「シングル100万枚突破！」みたいなインパクトのある結果は出しづらいと思うんだけど、このチャラン・ポ・ランタンというユニットは、いつの間にやらお茶の間の人気者になりましたね。嬉しい。


『ほしいもの』からスタート。ビッグバンドを従えての、賑々しいオープニングチューン。それはまるでチンドン屋のような、懐かしさと派手さと少しのセンチメンタルとを振りまいてくれる。「まさにチャラン・ポ・ランタン！」な曲。細かいけれど、サビの途中で手数が増えるドラムスがなんだか印象的で、好き。
続いて『あの子のジンタ』。なんというか…NHKの人形劇とかを観るのに近い感覚でした。ミュージカルのように曲調がどんどん変わるし、芸術性が高いんだけれども決してお高くとまったりはしておらずあくまでも親しみやすさを忘れない感じとか。
女子あるある、『お茶しよ』。野郎にもイメージが出来るくらいの、女子あるある（笑）小春さんの小気味良いアコーディオンでも誤魔化しきれてない（？）、生臭い程の女子あるあるですよね。なんか、怖いっすわ。
かと思えば、最大限にアイドル風を装った感じ（笑）の『いっくよー！』を放ってくるし。キャッチーというか、もはやそういうネタなのではないかと邪推したくなる程です。しかし、Aメロ辺りは意外としっかりとマイナーだったり、そこと対比するようにBメロとかサビが極端な程メジャーに響いていたり。音楽的にも、メリハリがあって聴き応えがある感じでした。
シリアス、かつシニカルな『ダンス・ダンス』。パーカッシブルなトラックには、「らしさ」と「新鮮味』の両方を感じました。もちろん小春さんのアコーディオンは鳴っているんだけれども、そこ（だけ）が前面に来るのではなく全ての音がバランスよく配置されたアレンジ&ミックスが施されている辺りに好感。音楽を楽しんでいるのが、伝わってきました。
可愛らしさ満点のトラックが印象的な『ストロベリームーン』。でも、リリックに関してはほんのり切ないですねぇ。この甘酸っぱさは、ティーン辺りが日々味わっているヤツじゃないでしょうか。西野カナさんとかが歌っててもおかしくない…いや、それは違うか（笑）
ヨーロピアンなワルツ、『なれたらなぁ』。これもまた、ものすごく可愛らしい。そして甘い。コーヒーよりは紅茶、紅茶よりはミルクティー、そしてそこにフレンチトースト。そんな感じの曲…どんな感じだ。
『夢を運んだアヒルの子』。『みにくいアヒルの子』がテーマだけれども、そんなにストレートな解釈ではないですよね、当然。力強いビートには、むしろ日本的な…お祭りの太鼓のようなフレーバーを感じます。和洋折衷な感じで、聴いてて面白い。
『猫の手拝借』。これ、桃さん以外の声がするような…小春さん？今度、歌詞カードのクレジットをちゃんと見てみよう。どこかとぼけたようなシンセとか、簡易楽器類とか、賑やかな曲。
軽快で快活な曲、『リンゴはスター』。ストレートなポップス…に、聴こえました。クセの強さがこの人たちの魅力で、それがこの曲にも無いわけじゃないんだけど…なんか、スッと耳に入ってくる感じ。でも、「ほんとにそうなのか？」という思いが抜けないのは、これまでのお二人の作風のためかはたまたリリックが深いからなのか。
どことなく妖しげな雰囲気をまとったマイナーチューン『嘘にキス』。桃さんのウィスパーボイスも小春さんのアコーディオンも、レトロな感じがビンビンに出ていて、新しいのに懐かしい感じ。昭和歌謡のエッセンスをJ-POPに置き換えると、こうなる感じ。
で、ラストは不思議な浮遊感のある『憧れになりたくて』。この「浮遊感」というのは、甘く広がるドリーミンなものとは違くてゆるふわな可愛らしさとも違って、どちらかというと不安定な？（笑）ゆらりと、ぐらりとくる感じ。その毒っ気が、病みつきになるんですけどね。


そんな、計12曲。
パッと聴いた感じだと「相変わらずだな」と思う程度なんだけど、ちゃんと聴くと随所に新しいアプローチが感じられる作品だと感じます。「毒っ気」だけじゃなく、「昭和レトロ」なだけじゃなく、「超絶アコーディオン」だけでもない。アーティストとして、クリエイターとして、バランスの良い感じになっていた気がします。




お気に入りは、#01 『ほしいもの』#03 『お茶しよ』#11 『嘘にキス』




この作品が好きなら、・『恋する惑星』／カネコアヤノ・『箒星図鑑』／吉澤嘉代子・『花蓮街』／一青窈などもいかがでしょうか。




iPod nanoにも入れておきたいレベル(^.^)









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